おむかいのオッチャン

ハルは窓を開けてベランダから外を眺めるのが好きなんです。

それはね、別にいいんですけどね。

あるとき、わたしが台所にいたら、ハルが「オッチャーン！オッチャーン！」って

すんごい大きな声で叫んでるんですよ。

台所の方からベランダの外を見てみたら、

向かいにあるアパートに住んでいるおじさんが洗濯物を干してるんです。

そのおじさんに、「オッチャーン！」って

多分一人くらしの人？・・・そんなことはどうでもいいんですけど。

あたし、その人知らないぞ。話した事ないし。

幸い、そのおっちゃんは無視してくれたのでハルもすぐ止めました。

ホッ

でもでも、休日の度にオッチャンを見つけては叫ぶようになり、

止めろと言っても止めてくんないし。

ちょっとほったらかしにしてたことも事実ですが・・・・

そんである日、また「オッチャーン！」って自分のおもちゃをおじさんに見せてると思ったら、

何か話してるんです。

オッチャンがついに返事してきたらしく、ハルと会話してて

もー、恥ずかしいのなんのって

よく考えてみたら、オッチャンって呼ばれるのはどうなんだろう？って。

オッチャンの身になって考えてみたけど、よくわかんない。

まあいっか。子どもが言ってることだし。

オッチャンも楽しそうだし。

あたしは知らないフリで通そうかな・・・・・